ウチナーグチ入門

ウチナーグチ入門

第64回 – 琉歌「みぃぐしくにぬぶてぃ…」

みぃぐしくにぬぶてぃ てぃさじむちゃぎりば はやふにぬなれや ちゅみどぅみゆる 三重城に登てぃ 手巾持上ぎりば 速船の習や 一目どぅ見ゆる 歌意/愛しい人の見送りで、三重城に登って手巾を振ろうとしたが、早船の常で一目しか見えなかった。 『ウ...
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第63回 – 琉歌「ふみらりんしかん…」

ふみらりんしかん すしらりんしかん うちゆなだやしく わたいぶしゃぬ 誉みらりん好かん 誹らりん好かん 浮世なだやしく 渡いぶしゃぬ 歌意/ほめられることも、そしられることも好きではない。この世はただおだやかに渡りたいものだ。 『ウチナーグ...
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第62回 – 琉歌「ふまりすしらりや…」

ふまりすしらりや ゆぬなかぬならい さたんねんむぬぬ ぬやくたちゅが 誉まり誹らりや 世の中ぬ習い 沙汰ん無ん者ぬ 何役立ちゅが 歌意/ほめられたり、そしられたりは世の常である。世間に評判も立たない者が何の役にたつことがあろうか。 『ウチナ...
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第61回 – 琉歌「ふたみみやらびや…」

ふたみみやらびや だんじゅちむじゅらしゃ うみやまぬながみ ゆすにまさてぃよ 二見美童や だんじゅ肝清らしゃ 海山ぬ眺み 他所に勝てぃよ 歌意/二見の乙女はとても心が美しい。同じように海山の眺めもよそにまさる美しさだ。 『ウチナーグチ入門』...
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第60回 – 琉歌「とぅちわなるまちぬ…」

とぅちわなるまちぬ かわるくとぅねさみ   いちんはるくりば いるどぅまさる 常磐なる松ぬ 変わる事無さみ  いちん春来りば 色とぅまさる 歌意/常緑樹の松は青々として変わることはない。それでも毎年春がめぐってくれば、ますます緑の色を増して...
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第59回 – 琉歌「たるゆうらみとぅてぃ…」

たるゆうらみとぅてぃ なちゅがはまちどぅり  あわんちりなさや わぬんとぅむに 誰ゆ恨みとぅてぃ 鳴ちゅが浜千鳥  逢わんちりなさや 我身ん共に 歌意/誰を恨んで鳴いているのか浜千鳥、逢えないでいる辛さは私も同じなんだよ。 『ウチナーグチ入...
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第58回 – 琉歌「じゃじちいたびしに…」

じゃじちいたびしに うちゃいふぃくなみや   じゃじちみやらびぬ みわれはぐち 謝敷板干瀬に 打ちゃい引く波や  謝敷女童ぬ 目笑れ歯ぐち 歌意/謝敷の板干瀬に打ちよせる波は、謝敷の乙女のほほえむ真っ白な歯並びのようだ。 『ウチナーグチ入門...
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第57回 – 琉歌「きゆぬふくらしゃや…」

きゆぬふくらしゃや なうにじゃなたいてぃる  つぃぶでぃうるはなぬ つぃゆちゃたぐとぅ 今日ぬ誇らしゃや 何にじゃな喩る  蕾でぃうる花ぬ 露ちゃたぐとぅ 歌意/今日のよろこび何にたとえよう。まるで蕾が露を受けてぱっと開いたようである。 『...
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第56回 – 琉歌「うんなだきあがた…」

うんなだきあがた さとぅがんまりじま  むいんうしぬきてぃ くがたなさな 恩納岳あがた 里が生まり島  森ん押し除きてぃ くがたなさな 歌意/恩納岳の向こうが彼の生まれた村、山を押しのけてこちら側にひきよせたい。 『ウチナーグチ入門』(沖縄...
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第55回 – 琉歌「うらむ ふぃじゃばしや…」

うらむ ふぃじゃばしや なさきねんふぃとぅぬ  わんわたさとぅうむてぃ かきてぃうちゃら 恨む比謝橋や 情き無ん人ぬ  我ん渡さとぅ思てぃ 架きてぃうちゃら   歌意/うらめしい比謝橋は、薄情な人が私を渡そうと思って架けておいたのでしょうか...