第9回の講師は波照間先生でした。第5回以来の2度目です。
今回は久しぶりにテイスティングを中心とした講義でした。暖流、くらという本講座では初めて琥珀色をした泡盛をテイスティングしました。
1.暖流
暖流は泡盛の一般的な貯蔵方法であるタンク貯蔵や甕貯蔵ではなく、オーク樽で貯蔵・熟成させて造られる神村酒造の代表的な泡盛です。
1)外観
薄く黄金色をしている。筋がねっとりと流れることから粘性は強い。としました。これまで無色透明の泡盛と違い、薄い黄金色が綺麗な泡盛です。ただし、色がつきすぎると泡盛として販売することができないとのことです。
2)香り
香りは中庸よりやや強く、まろやかな印象を受ける。第一アロマは炊いている途中の玄米のような香ばしい香りがする。第二アロマは熟したリンゴ、キャラメルの甘い香り、黒酢のようなまろやかな香りがする。時間の経過とともにメープルシロップ様の甘い香りがする。としました。香ばしく甘そうというイメージです。
3)味・風味
アタックは中庸で甘味、酸味を弱く感じ、最後に弱い苦味を感じる。アルコール感は弱く、後味に弱い苦味が短く残る。クルミのような香ばしい香りが鼻に抜ける。としました。香りが香ばしいので味も濃いのかなと思いましたが、優しい味で飲みやすい泡盛だと思います。
4)全体的な印象
黄金色をしていることから濃い味を連想するが、繊細な味と香ばしさが印象的である。女性、泡盛初心者にもオススメの健全な泡盛である。としました。飴の黄金糖をイメージしました。
5)適した飲用方法と理由
味が繊細で色も黄金色で綺麗なので泡盛通の方にはストレートで、泡盛初心者にはロックで飲んでいただきたい。としました。やはり暖流の特徴である綺麗な色を楽しめる飲み方が良いかなと考えました。
6)相応しい料理と理由
浅漬けなど、さっぱりしたものと合わせて繊細な味を感じたい。としました。サーモンステーキなどという意見も出ており、魚系の料理も合いそうと思いました。
2.くら
くらは樫樽で貯蔵・熟成させて造られるヘリオス酒造の代表的な泡盛です。モンドセレクション最高金賞を受賞するなど評価されています。
1)外観
薄く黄金色をしている。筋がゆっくりと落ちる様子から粘性は中庸。としました。こちらも先ほどの暖流と同じように綺麗な薄黄金色をしています。
2)香り
香りは弱く、繊細な印象を受ける。第一アロマは洗った後のお米のような爽やかな香りがする。第二アロマは若いパイナップル、スミレのような爽やかな香り、ヨーグルトのような甘酸っぱい香りがする。時間の経過とともにハチミツのような甘い香りが出てくる。としました。どちらかというとすっきりとした印象を受けました。
3)味・風味
アタックは弱い。甘味、酸味は弱く、最後に弱い苦味を感じる。アルコール感は弱く、甘味、酸味がさっと抜け、後味に弱い苦味が短く残る。グレープフルーツのような酸っぱさと苦さが合わさったような香りが鼻に抜ける。としました。こちらも繊細な優しい味ですが、先ほどの暖流と比較して、より爽やかなな印象を感じました。
4)全体的な印象
繊細でフルーティな香りと味が個性的な泡盛である。女性、泡盛初心者に勧められる健全な泡盛である。としました。
5)適した飲用方法と理由
繊細で優しい香りと味はボトルごと冷やしてストレートで飲みたい。また、泡盛を飲み慣れた方は常温のままストレートでもオススメである。としました。
6)相応しい料理と理由
シーフードサラダと合わせて洗練された香りと味を楽しみたい。としました。爽やかな印象の泡盛なので料理もサラダ系が良いかなと思いました。他の方からはスイーツ系、ペペロンチーノといった意見もありました。
3.海乃邦
海乃邦は沖縄県酒造協同組合から販売されている泡盛です。泡盛鑑評会沖縄県知事賞受賞など高く評価されています。
1)外観
無色透明で澄み切っている。粘性は細い筋ができる様子から中庸である。としました。
2)香り
香りは中庸で、爽やかなフルーツの印象を受ける。第一アロマは炊き上がったお米のふくよかな香りがする。第二アロマは梨のような瑞々しさ、ハチミツ、バニラのような甘い香りがする。時間の経過とともにアーモンドのような香ばしい香りも出てくる。としました。こちらはフルーティで甘いような印象です。
3)味・風味
アタックは強く、まず強い酸味を感じ、次に弱い甘味、最後に中庸な苦味を感じる。アルコール感は強く、中庸な苦味が長く余韻として残る。濃い紅茶のような渋い香りが鼻に抜ける。としました。アルコール度数が43度と高いのでパンチが効いた感じです。
4)全体的な印象
強いアタックと酸味で爽やかさを感じた後、余韻として残る苦味が奥深さを感じさせる男性的な泡盛である。健全である。としました。
5)適した飲用方法と理由
アルコール感が強いので初心者には薄い水割りで、泡盛通にはロックで飲んでいただきたい。としました。
6)相応しい料理と理由
しっかりとした味わいの泡盛なので魚のバター焼きと合わせて飲んでいただきたい。としました。
4.総評
今回もなんとかテイステイングノートを20分以内で書くことができました。内容はともかく時間内に書くという目標はできつつあるように思います。ただ、今はテキストを見ながら書いているので、テキストを見ずに書けるようにしなければ。
今回テイスティングした各泡盛は以下に掲載しております。
暖流。神村酒造のページへ
くら。ヘリオス酒造のページへ
海乃邦。沖縄県酒造協同組合のページへ