本日の講師は波照間先生でした。優しい口調で語りかけるゼントルマンです。
まずグラスのお手入れについて復習しました。グラスの内側は粘性のチェックに影響があるので洗剤は使わない。45度程度のお湯で洗うなど。一回目の講義で教わった内容です。
粘性のチェックで雫の落ち始めが遅いなーと感じて中庸から強めと判定することが多かったのですが、そういえばお湯で洗ってなかったなと気づきました。今度はきちんとお湯で洗います。
さて、今日のサンプルは池原酒造所の白百合と石川酒造場の甕仕込でした。どちらも個性的な泡盛だったと思います。
1.白百合
1)外観
無色透明である。粘性は中庸。としました。
2)香り
香りは中庸である。印象は花のさわやかな香りがする。第一アロマは蒸した直後のお米の甘い香りがする。第二アロマはバニラ、白いチューリップのような甘く、さわやかな香りがする。
白いチューリップの香りって知らないんだけど、白のさわやかさと花の次にチューリップが浮んだのでこのような表現に。
先生や他の人の評価を聞いてみると 「さとうきびの搾りかす」「セロリ」「大根の切り口の香り」「粉っぽい香り」「高カカオのダークチョコの香り」など様々です。みんなすごい感性を持っていますね。
3)味・風味
アタックは強い。甘味、酸味、苦味ともに強い。アルコール感は強い。後味は苦味が長く残る。としました。
単純な表現しかできませんでした。口に含むとどっしり感が強くて舌が負けてしまった感じです。何か昔の泡盛のような印象でした。
また、鼻に抜ける香りをやはり感じることができませんでした。何かコツがあると思うんだけど。。。
4)全体的な印象
バニラの香りがするが甘ったるい感じはなく、花のようなさわやかな甘さを期待する。が、口に含むと意外とどっしりとした強い味わいのする伝統的で健全な泡盛である。としました。香りの印象と味わいでギャップがあるなーと思いました。これはこれで個性的で面白い泡盛だと思います。
5)適した飲用方法と理由
どっしりとした味わいは水割りにしてすっきり感を出して飲みたい。としました。ただ、せっかくしっかりとした味わいを出しているのに水で割ったりして勿体無いかなと思ったりして。でも自分が飲むんなら水割りだなと思ったので良いか。
6)相応しい料理と理由
ミミガーの酢味噌和えと合わせたい。ミミガーのコリコリとした食感と酢味噌のさわやかさをこの泡盛のしっかりとした味わいと楽しみたい。としました。泡盛がどっしりしているので料理はさわやか、ただし、食感はしっかり感じられるものが良いかなと思いました。
2.甕仕込
1)外観
無色透明である。雫がゆっくりと落ちることから強い。
2)香り
香りは弱い。すっきりと澄んだ水の印象を受ける。第一アロマは洗う前のお米のような香りがする。第二アロマはきゅうりを切った瞬間の水々しさや甘酸っぱいヨーグルトの香りがする。しばらく置くとバニラの香りが強く出てくる。
3)味・風味
アタックは強い。甘味・苦味は中庸で酸味は弱い。アルコール感は下にピリピリと来るようで強い。後味は甘さがスッと抜け、苦味が少しの間残る。鼻に抜ける時、甘酸っぱいフルーティな香りがする。
鼻に抜ける香りの評価の仕方について、「口から息を吸って、鼻から出す」と教えてもらいました。もしかしたら最初に教えてもらっていたのかもしれないが、その通りにしたら今までより香りを感じるようになりました。ただ、息をあまりたくさん吸い込んで、鼻から出すとむせてしまうので気をつける必要がある。
4)全体的な印象
すっきりとした飲み口ではあるが高いアルコール度数により舌に刺激的な味わいをもたらす。泡盛通向けの健全な泡盛である。
5)適した飲用方法と理由
泡盛通にはストレートでこの泡盛の特性を味わってほしい。泡盛初心者には水割りにして香りから味わってほしい。
6)相応しい料理と理由
もずく酢で口の中をさっぱりとしながら、刺激的な味わいからまろやかさに変化する泡盛をじっくりと味わいたい。
3.総評
どっしりとした伝統的な白百合と高いアルコールで刺激的な甕仕込をテイスティングできて今回も勉強になりました。特に甕仕込は高いアルコール度数で飲めるかなという感じでしたが、時間が経つと古酒特有のまろやかさが出始め、最初感じなかった香り、味わいを感じることができて、古酒の良さを改めて認識しました。
白百合はこちらの池原酒造所ページでどうぞ。
甕仕込はこちらの石川酒造場のページでどうぞ。